障害のある人とその家族が地域の中で尊厳を保ちながら普通の暮らしができるように支援する

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スポットライト

会館ではご利用いただいている方を対象にパソコン教室や文化教室、スポーツ教室などの定期講習会を開いたり、身体障害者手帳をお持ちの方の様々なグループや団体に貸室をご利用いただいたりしております。
どの教室やグループ、団体もそれぞれに活動の歴史をお持ちで、長く会館をご利用いただいていることに感謝すると共に、改めてみなさまにご紹介できる機会を設けたいと考えました。
記事は不定期掲載になりますが、このスポットライトのページで少しずつご紹介していきたいと思います。

令和5年1月21日掲載
『陶芸教室~お火焚ひたきで座談会~』

会館の定期講習会で毎週土曜日に陶芸教室を開いております。会館ができて50年以上が経ちますが、陶芸教室もおそらくはその頃から開かれていたのではないかと思われます。

この日(11月19日)は「お火焚き」ということで、コロナウイルスの感染が拡がって以降、久しぶりに生徒のみなさんが一堂に集まる機会となりました。 何人かのお休みはありましたが、みんなで一緒にお掃除を済ませてスッキリした後、盛り盛りでいい感じのお供え物を用意して神聖なお祈りをしました。 「お火焚き」の様子は会館のFacebookに載せさせていただいてますので、よろしければ こちらから御覧になってみてください。

さて、「お火焚き」を機会に生徒さんたちがお集まりになった場で、座談会といった形で山本昌代先生にこれまでを振り返ってインタビューをお願いしました。

-当会館の講師をお願いするきっかけは何でしたか?-

お引き受けした頃は、芸大の4回生の、ある程度実習とかできる先輩たちがアルバイトで講師をつとめていました。みんな卒業する時にね、 次の後輩に代替わりするんですよ。で、次は誰がやる? ってなった時に、当時大学院の1回生やった私が引き継ぐことになりました。そのまま私は代替わりせんとここまでずっといる、というわけです。

「障害者会館の先生」をお引き受けしたものの、私は障害という事を特別に勉強していたわけではないんですよね。 恥ずかしながらここに来る時は 「障害者 =車椅子に乗っている方」というぐらいのイメ ージしか持っていませんでした。

でも、いざここに来たら、いろんな方に出会って・・身体の機能はそれぞれ違うし、目が見づらい方、耳が聞こえづらい方・・。

じゃあその方達がね、それぞれどういう風にしたら作りやすいかなあ、って一緒に考えるうちに、手話を覚えさせてもらったりとか。

この人はこんな感じで・・、などと向き合っているうちに、そんなに肩に力も入れず、34年が過ぎました。

ちょうど平成まるまる+令和で来させてもらってる感じで、びっくりです、 自分でも。

-当時は生徒さんは何人ぐらいおられたんですか?-

一最初の頃は、一番多い時で1クラス8人とか9人とかで毎週やってました。ただ、この教室の広さに対してなんかちょっとバタバタもするし、さらにいっとき、新しい受講希望者の待機人数がすごく増えて ・・。

そこで「陶芸教室も満杯やから、通ってるのが長い人から卒業したら?」といういう案も出てきたんです。

経験が初めての人に席をゆずって、長い人は申し訳ないけど辞めてもらって人数を調整しよう、という話があったんです。その話が出た時に、「それはあかん」と、私は待ったをかけました。

たくさんの方に陶芸を経験してほしいけれど、長く続けてきたからこその「喜び」というのもあるし・・。

そこで生徒さん達と相談したんですよ。 そうしたら、皆さんが「回数が半分になってもいいから、せっかく出会えた『ものづくり』を、みんなで長く続けられる事を選ぶのはどうかな」ということで、今の「隔週クラスの2グループ」に分かれる方法に変わりました。

「ものづくり」って自己表現になってくるから、最初は基本的なカリキュラム通りのものを作っていればいいんだけど、やっぱりそれぞれが、したい事とか、一人一人いろいろになってくる。そうするとここにいっぺんに8人はきびしいかな、と思ったり・・。いろいろなことがあって、今の形なんです。

-当時と比べて部屋の様子や雰囲気は変わりましたか?-

ほとんど変わってないかな、この辺の道具も30年以上ずっとあるものばかり。1つ変わったとすれば 「みんなでお掃除の時間」っていうのを作ったんですよ。前はとにかくみんなワーッと作って、けっこう土だらけやったりしてたんです。教室から出ていった人の足跡が廊下に白く続いてたりとか(笑)。

ただね、やっぱりある程度キレイに整った状態で落ち着いて作ることも大切や、という事で、掃除の時間を大切にするようにしました。結果的にはそれが、いろんなものを丁寧に扱うようになったりとか、制作の場面にも良い変化につながっているかもしれません。変わったというとそれぐらいかな。窯もずっと同じ窯を使わせていただいてます。

-陶芸教室の講師を長い間続けていただけた一番の理由は何でしょうか?-

一つは単純に通いやすい距離だった、ということもあるんですが、洛南身障者会館の雰囲気っていうのも大きいと思います。 この会館ならではのゆったりしている空気感とかが、たぶん私と相性が良かったのかもしれませんね。生徒の皆さんも、ええ意味、マイペースやし、ゆっくり焦らず進んでる会館の感じが、なんか合ってるのかなあ。上手く説明できないんですけど……。結果的に皆さんとこれだけ長くさせていただいているということが、何よりすごいなあと、今、思いますよねえ。

陶芸はじっくり長く向き合うからこそつかめることがすごくあって、それが陶芸教室だけじゃなくて、さらに自分の生き方の基盤になることもあると思うんですよね。

なので、今いらっしゃる皆さんには、ますますこれからもじっくり、作品や素材と向き合っていただけたらいいなあと思うし、これからもそれを応援していきたいな、と思っています。

山本先生へのインタビューはこの後もう少しお話を伺っています。また、生徒のみなさんにも座談会ということで、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。

残念ながら、スペースの都合で全てを掲載できなかったことをお詫びするとともに、貴重なお時間をいただいたことを感謝しております。

新しく始まった「スポットライト」というページに初回で掲載させていただくにあたって、山本昌代先生には多大なご協力をいただきました。誠にありがとうございました。多くの方にこのホームページを目にしていただくことを期待しております。